電車が一番遅れるのは何曜日か知ってますか

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鉄道利用者、そして鉄道会社にとっても悩みの種である電車の遅延(写真:hamazou / PIXTA)

首都圏など都市部の鉄道で、混雑と並んで重要な課題となっている遅延対策。今後の東京圏の鉄道整備の指針となる交通政策審議会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」が今年4月にまとめた答申でも、遅延対策が重要な課題として記載された。

その中で特に指摘されているのは、ラッシュ時などに発生する短時間の慢性的な遅延だ。調査では、3分以上30分未満の遅れのうち原因の94%は鉄道側ではなく、その他の理由による「部外要因」であり、混雑そのものやそれに伴うドア挟みが計47%、急病人が12%、落とし物などによる線路支障が6%で、実に遅延の7割が利用者に起因しているという。要はラッシュの混雑自体が遅延を引き起こしていることになる。

鉄道利用者のマナー向上がカギ

答申では、遅延対策の一つとして「鉄道利用者との協働」を挙げ、駆け込み乗車を行わないなど、利用者のマナー向上などによって電車の遅れを抑えることを提言している。

当然ながら、利用者としても電車の遅れによってスケジュールが狂うのは避けたいものだ。そこで、過去1カ月間の遅延証明書発行日を確認できるJR東日本の首都圏各路線と東京メトロの全線について遅れが発生した日を集計してみた。

JR東日本の公式サイトでは、午前7時〜11時の間に概ね5分以上遅れた場合、遅延証明書をサイト上に掲載している。表示される遅れは遅延の最大時間で、10分〜60分まで10分ごとと、61分以上の7つに分けられている。対象となっている路線は、山手線、京浜東北・根岸線、中央快速・中央本線、青梅線、東海道線、横須賀・総武快速線、宇都宮・高崎線、中央・総武線各駅停車、埼京・川越線、常磐快速・常磐線、常磐線各駅停車、南武線、横浜線、相模線、武蔵野線、京葉線だ。東京メトロは午前7時~10時の間に遅延証明書の発行があった回数を集計した。

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(上段)JR東日本・東京メトロで朝ラッシュ時に遅延が発生した路線の数 (下段)30日間の遅延発生日数(いずれも各社遅延証明書発行履歴から集計)

4月23日(土曜日)から5月23日(月曜日)までの分を集計した。この30日間で遅延が発生した路線が最も少なかったのは5月1日(日曜日)で、JRは横須賀・総武快速線と宇都宮・高崎線、東京メトロは千代田線のみ。最も多かったのは4月28日(金曜日)と5月10日(火曜日)で、この日はJR相模線以外は全て遅延が発生している。

5月12日(木曜日)には、川崎市内にあるJR川崎変電所で停電が発生し、複数の路線が運転見合わせとなったほか、同時に線路内への人立ち入りなども重なって起きているが、遅延が発生した路線数でいえば突出して多くはない。遅延時分を別とすれば、遅延そのものは大規模なトラブルがなくても発生しているわけだ。

曜日ごとの傾向ではっきりと分かるのは、土曜日と日曜日がほかの曜日と比べて遅延の発生する路線、遅延時間ともに少ない傾向があることだ。大型連休期間中の4月29〜5月1日、3日〜5日も一部を除き似たような傾向が見られる。遅延の大きな要因がラッシュ時の混雑であることがうかがえる結果だ。

遅延は休日以外ほぼ毎日?

一般に、朝の電車の遅れは月曜日など休み明けに多くなりそうな印象を受けるが、大型連休明けの5月9日に遅延が多発しているのはまさにその傾向が現れている。「休み明けには電車が遅れる」というイメージ通りだが、JRに関して言えば発生した路線の数は翌日のほうが多い。短期間のデータでは、他の曜日と比べて顕著な差はなさそうだ。

曜日によってそれほど遅延の発生傾向が変わらないのは、路線によってはほぼ毎日何らかの形で遅延が発生しているためだ。例えば、4月23日〜5月23日の間、宇都宮・高崎線では遅延が発生しなかった(遅延証明書の発行がなかった)のは5月16日、23日(いずれも月曜)の2日間だけだ。

東京メトロも同様で、千代田線は期間内の20日で朝ラッシュ時に遅延が発生しているほか、たとえば半蔵門線では4月19日〜5月23日の間、1日のあいだに5分以上の遅延が全く発生しなかったのは5月8日(日)のみとなっている。日ごろ利用している実感よりも、首都圏の電車の遅れは深刻のようだ。

通勤利用者、さらには鉄道会社にとっても悩みの種であろう電車の遅れ。一番の対策は混雑の緩和ということになるだろうが、当分の間は利用者側が「自衛策」を講じる必要があるのが実情だ。

出典:東洋経済オンライン

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